「ああっ!」
 今先ほどまで目の前にいたアストラルがいない事に気づき、シャロンは大慌てで部屋に戻った。するとアストラルは大きな袋を傍に置き、先ほど作ったばかりのクマのぬいぐるみを手に持ち遊んでいた。

あ〜〜〜っ!!!!
「ん?この気持ち悪いぬいぐるみ何?どこかから拾ってきたの?」
「き、気持ち悪・・・い?」
 シャロンはせっかく時間をかけてアストラルの為に作ったぬいぐるみが、その本人に気持ち悪いと言われ怒りがこみ上げてきた。が、その怒りをなんとか押さえ込み冷静になって話し始めた。

「それ・・・わたしがアストラルへのプレゼントとして作ったぬいぐるみなんだけど・・・アストラル、クマ好きだから」
「え!これプレゼント?シャロンの?ってこれクマ?」
「う・・うん」
「うそ〜〜ホントに?下手すぎるでしょこれ?だって・・・・・ほら・・・」
 そう言うとアストラルは傍に置いてあった大きな袋からシャロンの作ったクマ?のぬいぐるみの数倍はあるかと思われるクマのぬいぐるみを取り出した。誰がどう見てもシャロンのクマのぬいぐるみとは段違いに可愛く、造りも綺麗でそれでいてクマっぽかった。

「へ?なに・・・・・これ?もしかして・・・私への・・プレゼント?」
 シャロンはクマのぬいぐるみのその出来の違いに唖然としながらも、アストラルの取り出したクマのぬいぐるみが自分へのプレゼントと思いちょっぴり表情が明るくなった。が・・

「これ?これミューに貰った手作りのクマのぬいぐるみなんだ〜」
 アストラルはぬいぐるみを抱えるとその手を持ちシャロンに振った。

「は?みゅ・・ミュー?どうしてミューと・・・」
 いきなり出たミューと言う名前に違和感を感じて問いかけた。

「ん?さっきまで一緒に居たんだ。一人は寂しいって言うから飲んだりゲームしたりあんな事やこんな事したり」
「あんな事や・・・こんな事?・・って、アストラルあなたまさか!!・・・」
「シャロンもさぁ・・こんなHな服着て・・したいんでしょ・・・」
「え?」
 そう言った途端、アストラルは手に持っていたクマのぬいぐるみをポイっと机に投げ捨てるとシャロンの体に飛び掛った。その勢いでシャロンの被っていた三角頭巾がふわっと床に脱げ落ち小さな埃が舞った。

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