「さっきから・・・・」
「?」

やめてって言ってるでしょッ!!


ぱち〜〜〜ん!!!

 シャロンの放った平手を横顔にもろにくらい、アストラルは凄まじい音と共に横に吹っとんだ。

ドン!

 飛んだ所にちょうど机の脚があり、アストラルは頭をぶつけ目を回して気絶してしまった。

「あ〜〜っ最悪のクリスマスだわっ・・・・せっかくロマッチックにしようと思ってたのにっ!・・・」
 シャロンはムスッとした表情で胸を手で隠すとすくっと立ち上がり、破れた服とブラを拾い上げた。

「この服・・・慣れないアルバイトで貯めたお金でニーナに頼み込んで作ってもらったのに・・・・」
 傍に気絶して転がるアストラルを見下ろしながら悲しそうに呟いた。

「どんなに強くなっても・・元は何も変わらないわね。強い男が良いってずっと思ってたけど・・・この平和な世の中じゃ何の意味も無いわ・・・ただのHで馬鹿で世間知らず」
 フ〜と溜息をつくとシャロンはアストラルの傍に座り込んだ。

「でもそんな馬鹿なのがまた良いのかな・・・誰にも優しすぎるのよねアストラルは・・・」
 シャロンはアストラルの頭を優しく撫でながら微笑んだ。

だけど他の女とHするなんて許せないっ!また明日からいびってあげるから覚悟しなさいよッ!」 
 気絶したままのアストラルに向かって蹴りを数発入れながらそう言い放つと、シャロンはアストラルを担ぎフラフラと部屋を出た...。そして少し経った頃シャロンの声が家中に響きわたった...。

あ〜重いっ!アストラルいったい体重何キロあるのよッ!それに何で私がせっかくのクリスマスにこんな事しなきゃいけないのッ!あ〜もうクリスマスなんて大っ嫌い!!!

 その声が合図だったかのように、外では綿の様に白い雪が音も無く降り始めた。


おしまい☆
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