「え!?そうだったんだ・・ごめん・・・ホントにごめんね」
 アストラルは自分のした行為に罪悪感を感じシャロンに謝った。

「いいの・・・どちらにしろアストラルにあげる物なんだし」
 
「こういうの慣れてないからちょっと形が変な感じだけど・・」
「全然変じゃないよ、凄く可愛いと思う。ちょっと独特で個性的だけど・・・。ありがとうシャロン」

チュッ!

「あっ・・・」
 アストラルはそう言うとシャロンの額にキスをした。シャロンはその瞬間目を見開くと、少ししてにこりと笑った。

「ん?それは?」
 キスをした際アストラルはシャロンがもう一つ同じ様なぬいぐるみを持っている事に気づいた。

「ああ、これペアなの、こっちが私のクマさん。私たちが一緒にいられない時でもこの2匹は一緒にいられればいいなって」
「じゃぁベッドの傍に離れないように2匹を置いとこうか」
「うん、それがいいかも」
 シャロンが頷き寝室に歩き出そうとした時、アストラルは突然シャロンを抱きかかえた。

「きゃっ!?ちょっと・・・アストラル?」
 シャロンはいきなりの事にびっくりして顔を真っ赤にしてアストラルの顔を見上げた。

「今日ぐらいは・・・ね」
「あ・・・」
 アストラルの無垢な笑顔にシャロンは恥ずかしさも消え、アストラルの温もりにただただ幸せだけを感じ、体の力を解き体を預けた。

「でも・・・・」
「でも?」
 アストラルの口から不意に発した一言にシャロンは何かを感じて聞きかえした。

「もう一つぬいぐるみがほしいなって・・・・」
「え?・・・それってもしかして・・・そういえばアストラルが持ってたあの大きな袋って・・・」
「あれ?あれは・・・いつかに使う日が来ると思ってね・・・」
「あ・・・・」 
 それを聞いてシャロンは心の中が何か不思議な暖かく心地良い感覚で満たされ、そのまま目を閉じた。

 アストラルはシャロンの穏やかな顔を見てにこっと笑みを浮かべると、シャロンを抱きかかえたまま部屋の奥の暗闇へと消えて行った....。

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