そこには頭上で手首を固く結ばれぐったりと頭を下げた先ほどの女忍者が捕まっていた。

「つっ....」
 首筋に走る痛みで気を取り戻した女の忍者はすぐさま自分の置かれている立場を確認した。

「まさか捕らえられてしまうなんて...しかしここは...」
 とろうそくに照らされた辺りを見回そうとした時右手の暗闇より足音が近づくのに気がついた。
「どうやら気がついたようじゃのう」
 暗闇よりゆらりと現れたのは背が低く全体的に丸い印象を受ける40前後の男であった。

「貴様はっ!」
 女は口を強く結ぶと男の顔を睨み付けた。

「ふふふ...どうかね殺そうとした者に逆に捕まるのは」
「情報によるとシャロンと言うらしいな」
 男はそういうと女忍者の前に立ちその女忍者の体を上から下へ、下から上へと舐める様に視線を這わせた。

「異国の女とは聞かされてはいたが....まさかこれほどのものとは」
 ニヤニヤした顔付きを崩す事無く呟いた。
 事実この国の女性とは雰囲気がまったく違う、肌の色は白く血が透き通って見えるほどである、顔は端整であり目は青くその金色の髪は光を受けて美しく光り輝いている。
 何より服に隠れて見えはしないがそのからだつきは相当の物であるのが判る。

「私をどうするつもり?」
 シャロンと呼ばれる女忍者は男に対して問いかけた。

「そうだなぁ..最初は殺すつもりだったがこの体を見るとな...」
 言うと右手をシャロンの左胸へと伸ばす。

「その様な汚い手で触るなっ!」
 激しく言い放ち自由に使えた右足で男を蹴り上げたが男は体に似合わずひょいと後ろに下がりその蹴りをかわした。
「気が強い女は好きだよ、さすがに蹴りはたまらんがね」
 そう言うと側に立て吊るされていたロープを手に取った。


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