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ガチャガチャガチャ・・・ボンッ！ 「アアッ！焦げてるっ！」 部屋の中から焦げ臭い匂いと叫び声が同時に部屋全体を包んだ。 「おっかしいな〜簡単だと思ったんだけど・・」 シャロンはクリームをかき混ぜていたボウルを一旦横に置くと、フライパンを掴んだ。 フライパンには煮えてドロッとした白いクリームの上に黒く焼け焦げた得体の知れない物体が嫌な匂いと黒い煙を出して鎮座していた。シャロンは近くにあった布でその物体を掴みとるとまな板の上に置いた。 「ケーキってどうやって作ってるのかしら・・・」 ケーキ？と思われる黒い物体をシャロンがもう一度掴んで捨てようとしたその時、玄関のドアが開き声がした。 「シャロンただいまっ」 「え？」 シャロンが玄関へ振り向くと、先日一緒になったばかりのアストラルが屈託の無い笑顔を見せていた。 「は、早かったのね？ど、どうだったの仕事？」 「ん？予想よりも早く終わったから帰ってきたんだけど...この匂い...何してるのシャロン？」 「へ？い、いえこれは・・その・・・・」 体中ドロドロしたクリームまみれのシャロンは変にうろたえながらなぜかフライパンを後ろ手に隠すと、頬を真っ赤にしてうつむいた。 「何これ？」 「ああっ！それは・・」 アストラルはもじもじするシャロンをかわす様に後ろのまな板に乗っている黒くいびつな形をした物体を手に取ると様々な角度から眺めだした。 「これ何？」 「け・・・ケーキ」 「え？」 アストラルはあまりにシャロンの声が小さかったのでよく聞き取れず、疑問符で返した...がシャロンはそれを馬鹿にされたと思い激高した。 「ケーキよケーキっ！作るのが下手で悪かったわねっ！」 そう言ってシャロンはアストラルの持ったケーキと呼ばれる物を奪い取るとゴミ箱に捨てようとした。...がその時 「あ・・・」 アストラルはシャロンに後ろから抱きついた。 「怒る事なんて無いのに・・・シャロンが僕に作ろうとしてくれた・・・それだけで幸せなんだから」 「あ・・アストラル」 シャロンはアストラルの腕の中で体をクルリと回すとアストラルの唇にキスをした。 「あなたと一緒になれて・・・・私・・・」 「シャロン・・・・」 二人はもう一度唇を合わせると、場所を気にする事無くお互い服を着たまま激しく体を求め合い、そして愛を確かめあった...。 「ってさすがにそんなに都合よくは...ねぇ」 シャロンは自分で妄想したイメージに少し恥ずかしくなりながらケーキ？と思われる黒い物体をもう一度掴んで捨てようとしたその時、玄関のドアが開き声がした。 「シャロンただいまっ」 「え？」 シャロンが玄関へ振り向くと、先日一緒になったばかりのアストラルが屈託の無い笑顔を見せていた。 「は、早かったのね？ど、どうだったの仕事？」 「ん？予想よりも早く終わったから帰ってきたんだけど...この匂い...何してるのシャロン？」 「へ？い、いえこれは・・その・・・・」 体中ドロドロしたクリームまみれのシャロンは変にうろたえながらなぜかフライパンを後ろ手に隠すと、頬を真っ赤にしてうつむいた。 「何これ？」 「ああっ！それは・・」 アストラルはもじもじするシャロンをかわす様に後ろのまな板に乗っている黒くいびつな形をした物体を手に取ると口に運んだ。 「うわっ！何これ？まずっ・・シャロンが作ったのこれ？」 「え？いえ、あ・・・うん・・そうだけど・・やっぱりおいしくなかった？」 「こんな不味いの食べられないよ・・・よくこんなの作れるね、普通に作ってもこんなに下手には作れないよ・・・やっぱり幼馴染ってのと体で選んだの失敗だったかも・・・料理の上手いニーナにしておくべきだったかなぁ」 ブチッ！ 「ん？シャロン？」 その日アストラルの家からは悲鳴と泣き声、そして叫び声が絶える事が無かった.....らしい。 |
