「ん・・・・・あ・・・・」
 ガチャガチャと金属の触れ合う音が狭い部屋に響き渡る。

 「へへ、お目覚めのようだな」
 「あ、あなた達!」
 声が聞こえた右手の方へ振り返るとシャロンは嫌悪にも驚きにもとれる声を上げた。そこには椅子から立ち上がるやおら肌黒く長身の男と、もう一人机に大きなカバンを置き妙な頭巾を被った男がニヤニヤした顔でシャロンを眺めていた。

 シャロンは咄嗟に石畳に半立ちの体を動かそうとしたが腕は天井から垂れた手枷で吊り上げられ、足は殆ど動かず立ち上がる事すら出来なかった。

 「!!!どうして・・・・」
 「商売品に逃げられちゃたまらねぇからなぁ、ちょいとばかし神経に効く薬をな、でも感覚はそのままだがな」
 頭巾を被ったお世辞にも顔が良いとは言えない男がゆっくりと席を立ちながらのんびりした声で声をかけた。

 「あ・・・私、捕まったんだ・・・」
 「オイオイ、今頃気づいたのかよ!そらあんな罠にかかる位だからな無理も無いか」
 とこちらに歩きながら長身の男が呆れる様な仕草をしながら言い放つ。

 「わ、悪かったわね!」
 シャロンはぷいと顔を背けた。

 「それよりお前シャロンだろ?」
 「どうして私の名を?」
 怪訝な顔をしながらシャロンは男に聞き返した。

 「そりゃ影の一族の金髪の女剣士シャロンと言えば光の一族の兵士達の中でも昔から有名だぜ、なんせ犯りたい女ナンバー1だからな」
 「な!!!!」
 「しっかし・・・・実際見てみると噂よりもはるかに良い女じゃねぇか全然歳をとっているように見えないのはさすが長生きの影の一族だな」
 そう言いながら、長身の男は目を丸くして驚くシャロンの体をなめ回す様に様々な角度から眺め見る。

 「リゲル、こいつ物凄くびっくりしてるようだぜぇ、相当ショックだったんじゃねぇか」
 と妙な頭巾の男がリゲルと呼ばれた長身の男の後ろから話しかけた。

「まさかそんな事思われてると思ってなかったんじゃねぇか、それよりアルゴ、こいついくらぐらいだと思う?」
 アルゴと呼ばれた妙な頭巾を被った男はリゲルの横から顔を出すと未だ目がフラフラしているシャロンを骨董品を見るかのように見据えるとリゲルに指で示した。

 「へっかなり良い価値だな、それだけあれば遊び続けられるぜ、その前にちょっと味見しちまうか」
 そういうとリゲルはシャロンの胸元に手をやり着ている服を強引に引きちぎった。


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