シャロン「表に・・・するの?」
シャロンはゆっくりとコインを隠した右手をのけると、左手の甲には先ほど弾いたコインが乗っていた。
そしてそのコインを覗き込むとシャロンは叫んだ。
「裏・・だわ!・・・・・・それにしても・・け、健闘したじゃない」
シャロンは最初笑顔で喜んでいたが、すぐに表情を引き締め、ぼそぼそつぶやきながら先ほど脱いだ服に腕を通していった。
その額からは何か冷や汗のような物を滴らせて....。
「運も実力のうちって言うしね、まぁ私にはかなわないけど。さて私が勝った訳だけど・・・あなたをこれからどうしようかしら・・・モグラの穴に放り込む?それとも蜘蛛の巣に引っ掛ける?・・機嫌の悪いクマと戯れさせるのもいいかも・・・あなたの運の良さならそのぐらい簡単よね?」
服を全て着込むと、まるで子ねずみを弄ぶ蛇の様にシャロンは目を細め睨み続けた...。
終わり。
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