シャロン「表?それでいいのね?」
 シャロンはコインを隠した右手をのけると、左手の甲には先ほど弾いたコインが乗っていた。
 そしてそのコインを覗き込むとシャロンはぼそっと呟いた。

「裏・・ね」
 
「あなた弱すぎ!」
 フーと溜息をつくとシャロンはいきなり怒鳴った。

「勝負弱い男なんて存在自体邪魔だわ!この程度で私とHしたいだなんて・・・・まったく・・・もう私の前に顔を出さないで」
 シャロンは外していたマントなどを不機嫌そうに着用した後プイッと背を向け歩き出そうとした、が一歩踏み出した所で歩を止めた。

「前言は撤回するわ・・・・どちらにしろもう私の前に顔を出せないんだから・・・・・・・」
 背中越しにシャロンがそう言った瞬間鞘に手をやると、目にも留まらぬ速度で後ろに向かって剣を抜き放った。
 少ししてあまり聞きなれない鈍い音が一瞬聞こえたが、それも剣をしまう金属の音にすぐにかき消された。
 シャロンは何事も無かったかのように歩き出すとマントと長い髪をなびかせて部屋を後にした...。

終わり。



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